指先で紡ぐ月影歌
俺だってあんたを守りたいんだ。
此処が好きだから、守りたい。
一人で背負わせたくなんかねぇんだよ。
だって、仲間なんだから。
少ねぇ飯一緒に食って、何度も刀交えて、未来を語り合った仲間だから。
一緒に背負っていきたいんだ。
途中で倒れたりなんかしねぇよ。
あんたが鬼になるっていうなら、俺だって刄になるさ。
この新撰組-タカラ-を、誠-ユメ-を守るために。
「…頼むぜ、左之」
そんな俺の思いが通じたのか、小さな息を吐いた後漸く納得したように笑ってくれた土方さん。
その返事に俺も笑って頷いた。
そして再び二人で空を見上げる。
(…久しぶりだな…)
いつぶりだろう。彼を、トシさんと呼んだのは。