指先で紡ぐ月影歌
俺のガキの頃から変わらない性格を知っている人も多かったせいか、飛び出したもののどうせ剣術修業に夢中になっているのだろうというだけで特にお咎めはなかったのだ。
流石にこれには拍子抜けだったのは記憶に新しい。
まぁそのお陰で俺は自由気ままに好き勝手出来たわけだが、それでいいのかとも思う。
そんなこんなであちこちの道場を見て歩いた俺は、この頃に長倉から永倉と称するようになった。
自分なりのけじめ、というやつだ。
その後剣術修業と称した旅から帰ってきた俺は、縁あって道場の師範代を務めるようになって。
それから少し経った頃だ。
俺が彼らと出会い、新たな道を見つけたのは。