ある男女の恋愛事情
Three Story*。+

境界線と困惑









正直やらかしたと思った。


「お前まだ牛乳嫌い
なおってなかったんだ」


会話が楽しすぎて

気が抜けてたんだ。


うっかり口から漏れた言葉に固まった。

迂闊すぎて洒落にならねえよホント。





だから、昨日浅野が
先に帰っても文句を言えない。



浅野サナのことは、

忘れた事なんて一度もなかった。


もちろん、俺がひどい
振り方をしたことも。


もう二度と会うことはないと思っていたのにまさか同じ高校だったんなんて。



最初見たときは
全然分からなかったのに。


弓道部に所属したとき、自己紹介でアイツが名乗った名前で初めて気づいて。


すげー、吃驚した。

でもホントは、
ずっと会いたかった。

人目あって謝りたかった。



そして、誤解を解きたかった。


なのにいざ会うと改めて自分の
しでかしたことが、まとわりついて。



中々、自分から切り出せなかった。

向こうはもちろん思い出したくない記憶だろうから昔の話を持ち込んでこない。







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