ある男女の恋愛事情
「あれは違う、そういう意味で言ったんじゃ…
「やだってば!
お願い、分かってるから…っ」
涙でグシャグシャの顔の浅野は、手の甲でその涙を拭きとりながら言った。
その姿に、言葉に俺はまた黙る。
「あたし、ちゃんと
分かってるし覚えてるから」
「…、」
「だから、もう二度と
スキなんて言わないよ」
感覚が麻痺してく。
泣きながら必死に笑おうとする浅野が
いじらしくて、愛おしくて。
でも、この手で
抱きしめていいの分からなくて。
自分でややこしくした
小6の俺を殴りたい。
「これからも友達として
よろしくねって、ことでさ…」
「嫌だっていったらどうする」
「…え」
「友達の關係じゃ嫌だ
って言ったらお前は困るの?」
「な、なにそれ…」