ある男女の恋愛事情
Four Story*。+
好きってこういうこと
心に浸透する伊吹くんの言葉。
“あの頃から”って言った?
え、あたしを?
伊吹くんが?
…好き?
胸が、きゅううって狭くなって
心臓がうるさくなっていく。
嘘みたい。嘘だったらどうしよう。
押し込めていた感情が
水のように溢れ出す。
欲しかった言葉。
なによりも
欲しかった言葉だった。
「ほ…ほんとに?」
「うん。浅野が好き」
「冗談抜きで…?」
「好きだよ」
「っ」
「スキ」
好きの連発にあたしの鼓動は
過去最大に跳ね上がる。
嬉しいんだけど、照れ臭い。
照れ臭いんだけど
何度だって言われたい。