ある男女の恋愛事情
「うーわ。俺今地味に傷ついた」
「そういうのやめてって
いつも言ってるじゃない!」
「ふは、動揺しすぎ。口調壊れてんぞ」
カチャリ、と音を立て
矢を2本手に持った伊吹くんは
近的場に入っていった。
伊吹くんが見えなくなった
ところでふーっと一息吐く。
男の子って、あんなに
変わっちゃうものなのかな。
昔の伊吹君なら絶対
有り得ない行動と言動ばっかり。
一体3年の間に
何があったんだろう。
純粋に気になる。
―――スパーンッッ!!
「っ、射!」
少し思考が鈍っていたとき。
矢が的を射ぬ音でさえた。
慌てて掛け声をあげ、
意識を部活に集中させる。