お嬢様の仰せのままに。
あたしが呼んだら3秒以内に来なさい
「沙凪、起きろ」
「…んー…」
「夜飯。広間で食う?部屋で食う?」
「…ここでいい」
「わかった」
広間で食べたって、どうせ誰も居ない。
広過ぎる部屋に広過ぎるテーブルで、
余計ひとりなんだって感じるだけ。
だから、あたしはこの家が嫌いだ。
「…最近、親父さんは?」
「見ての通りだよ」
食事中、遠慮がちに投げ掛けられた質問。