お嬢様の仰せのままに。
「お前、ほんと頭いいよな」
「そう?」
「俺が軽く内容教えるだけなのに、
すぐ応用までこなすじゃん」
「数学は問題こなせば出来るもん。
暇だと勉強か本読むかしかないし」
颯と話しながらも問題を解くあたし。
そう言う颯だって、成績はかなりいい。
あたしはいつもトップだけど、颯はいつもそのすぐ下に居る。
「努力家だもんな、沙凪は」
優しく微笑んだ颯は、あたしの頭を撫でる。
小さい頃より大きくて、ごつごつしたこの手が、あたしは大好きだ。