お嬢様の仰せのままに。
必死な颯がおもしろくて、
思わずくすくすと笑みが零れる。
「くっそー…それでも悔しい」
「あたしの調子が良かっただけだもん」
「侮ってた!!」
唯一颯に勝てるのは勉強って、自分でわかってる。
だから、意地でもこれだけは負けられない。
「今日のメシ、にんじんだらけにしてやる…」
「やめて」
「シェフに言ってやる」
「やめて」
「沙凪がにんじん食いたがってたって」
「やめて」
「シェフ喜んでにんじん料理作るだろうな」
やっぱり勝てない…のかも。