お嬢様の仰せのままに。



颯の手を叩き落として、ベッドを抜ける。

足早に洗面所に向かうあたしの背中には、


「…わかった、昼は食えよ」


という、控え目な声が掛けられて。

あたしの機嫌に敏感な颯ですら、無性に癪に障る。



―・・・


行きのリムジンも、無言。

授業も寝てた。

昼は、仕方なく颯が持って来たお弁当を食べたけど、
やっぱり無言。


「沙凪、帰んぞ」


その声で立ち上がったけど、あたしは黙ったまま。



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