お嬢様の仰せのままに。
本心を言うと、甘えたかった。
だけど、それじゃだめな事くらいわかってるから。
「…ううん。いい」
「…そっか」
「でも、お願い」
「ん?」
「…寝る前、ホットミルク飲みたい。
で、一緒に寝て」
きゅっと、颯のニットセーターを握る。
俯いたままのあたしの頭に、颯の手が乗った。
「わかった。戻ったら一緒にメシ食おうな」
「…ん」
小さく頷いて、部屋を出た。
ずっと近寄らなかった、お父様の書斎に向かう。