お嬢様の仰せのままに。
「ねぇ、颯」
「ん?」
「もっと」
「ん」
一緒のベッドで寝るのは、本当に小さい時以来だ。
家に泊まるようになった最近でも、
颯はあたしを寝かしつけてから自分の部屋で寝てたから。
…まぁ、それが普通なんだけど。
擦り寄るあたしを受け入れて、ぎゅっと抱き締めてくれる颯の腕は、
小さい頃より全然逞しい。
「…覚えてる?」
「何を?」
「昔、雷怖くて、一緒に寝たの」
「あれはお前が俺を離さなかったんだろ」
「……」