お嬢様の仰せのままに。



「お前って昔から、何かあれば俺を頼るよな」

「…だめなの?」

「いや、全然?俺もそれが当たり前だと思ってるし、

それに応えるのが俺の役目だとも思ってるし」

「……」

「だから俺は、お前の下僕だったつもりは無いよ。

お前のわがままを聞いてる感覚だった」

「…そっか」


何となく恥ずかしくて、颯の胸に顔を埋めた。

Tシャツしか着てないから、ダイレクトに体温が伝わる。


「お前みたいな素直でかわいくない奴、俺以外世話しないだろ」

「…うるさい」

「いでっ!!つまむな!!」


背中に回した手で、筋肉質な颯の少ない肉を抓んでやった。



< 72 / 81 >

この作品をシェア

pagetop