お嬢様の仰せのままに。



立ち上がって、颯を見つめた。


「ずっと、あたしの傍に居てください」


きっと、顔は真っ赤だと思う。

風が強くて、髪もぐしゃぐしゃ。


「…ばっかじゃねーの」


その瞬間、あたしは颯の腕の中に居て。


「俺だって、ずっと沙凪だけが特別だったよ」

「…ほん、とう?」

「じゃなきゃこんなに世話焼かねーだろ」


小さく笑った颯が、愛しい。



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