イ オ ン
少し歩くと大きな白い家が見えて、ピアノの音もその家から聞こえていることが分かった。
何の曲だろ?
誰が弾いてるの?
私は自分でも分からないくらい、この曲に魅かれていた。
その白い家の目の前に来たとき、大きなガラスの窓からピアノを弾いている人が見えた。
優しそうな瞳の男の人で、気持ち良さそうにピアノを弾いている。その姿はとても綺麗で、天使のようだと思った。
どうしよう……。声かけてみようかな……。でもはずかしいし……。
私は迷ってその場をうろうろする。
そのとき、突然ピアノを弾く人の手が止まり、こちらに振り向いた。