イ オ ン
どうしよ!今の状況私怪しすぎだし!
とりあえず、逃げよう!!
私はその場から走り去ろうとした……が、走り出した瞬間、大きな石につまずき派手に転んでしまった。
「いった!!……もう最悪……」
転んだ痛みと、その人に見られた恥ずかしさとで、泣きそうになる。
今なら死んでもいい、とさえ思った。
「大丈夫ですか?」
その声に反応して振り返ると、さっきピアノを弾いていた人が手を差し出してくれていた。