イ オ ン
「そういうときは、すみません……。より、ありがとう。の方が嬉しいな」
私はその言葉を聞いて、顔を上げて言った。
「どうも……ありがとうございます」
すると彼はにっこり微笑んだ。
「うん。どういたしまして」
笑ってそう答える彼の笑顔は、優しくて……とても暖かかった。
私の膝を消毒しながら、彼は私に言った。
「君、名前は?」
「依音……、高原 依音です」
私がそういうと、彼は不思議そうな顔をした。