イ オ ン
それから10分くらい海沿いを歩くと、叔父さんの別荘に着いた。
おもちゃのようなかわいい白い家。屋根のペンキが少しはがれていたけど、1人で住むには十分な大きさだ。
「よし、入ろう」
鍵をガチャッと開け、扉を開く。ギギ……と、鈍い音がした。でも、そんなことが気にならないくらい、扉をたら木のいい香りが鼻をくすぐった。
『うわぁ』と感激して思わず声が出る。
部屋は思ったよりずっとキレイだった。叔父さんには悪いけどもっと埃まみれで汚いイメージだったから、その分嬉しさも倍増した。
荷物を整理してキッチン、バスルーム、寝室、トイレ……とさまざまな場所をくまなくチェックする。キッチンは調理道具一式が整理されてあったし、寝室のベッドもふかふか。
お風呂が少し小さいのが気になったけど、ここにきてよかったとさっそく思った。