10年後も…〜song for you〜
「ふぅーお腹いっぱい。ごちそうさまです」
お店を出ると、私はペコっと晴人くんに頭を下げた。
「仕事見つかったら、今度はあたしがごちそうするね」
そんなことを言ったら、晴人くんがまたおでこをピシッと叩いた。
「彼女におごってもらうのとかありえないから」
そう言われた私は、顔を膨らます。
「あたしが嫌なの。恋人という関係でも、常に対等で居たいの!」
私の言葉に晴人くんがフッと笑った。
「真琴らしいな。ま、そういうとこが、俺は好きだけど!」
晴人くんがニコッと笑った。
あーもう…。
やっぱずるい。
晴人くん、さらっと言っちゃうもん。
「よし、じゃあ、回らないお寿司でもごちそうしてもらおうかな?」
晴人くんがいたずらっぽく笑った。
「えー。それは無し!」
「あれ〜?ごちそうしてくれないの?」
「はいはい。しますよー。別のやつをね!」
幸せだなぁ…。
「よし、行こう」
晴人くんが手を差し出した。
私は、その手をしっかりとつかまえた。