10年後も…〜song for you〜
かき鳴らす音 *健 side
「あ、もうなんで止めちゃうの?」
口ずさんでいる声に気付いて振り返ると、真琴が後ろに立っていた。
俺は、びっくりして思わず鳴らしていた手が止まった。
真琴がむくれている。
「お前、なんでここに居んだよ…」
真琴が前にきて俺の正面に座りこんだ。
「いいから!続き弾いてよ!」
真琴が鳴らせと促す。
なんだよ。
つか、こんな時間になんでここに居んだよ…。
あいつは?はるとってやつは?
俺の頭の中は、疑問でいっぱいになる。
そんな俺に、早くやれと真琴はしつこい…。
俺は、渋々続きを奏で始めた。