10年後も…〜song for you〜
髪や洋服を拭いてる俺の横で、祐樹が予想通り追求し始めた。
「昨日は、バイト中でゆっくり話す暇なかったけど、俺すげーびっくりしたんだけど?お前なんで日本に居んだ?」
「……」
「何があったか知らねーけど、お前さー」
「金さ、バイト決まったら返すよ。…桐谷ありがと」
「ううん」
祐樹の言葉を遮り、タオルを桐谷に返して、俺はメニュー表に目を向けた。
メニューなんて今更見る必要もないくらいの常連だけど、
無意識に、祐樹から目をそむけていた。