10年後も…〜song for you〜
「健?もしかして、お昼食べた?」
俺がぼーっとしていたので、絵里が顔を覗き込んだ。
「あ、いや、まだだよ」
「そっか。よかった!座って。お茶つぐね」
絵里は、ほっとして笑顔になった。
その笑顔を見たら、罪悪感に苛まれる。
俺、何考えてんだよ…。
マジ、最低だ。
テーブルに座り、絵里がお茶をついでいる間、リビングに置いてある写真立てが目に入った。
何年か前の、俺と絵里の写真。
あの写真は、確か…。