10年後も…〜song for you〜
俺の深いため息に、絵里が悲しげな顔をする。
「健…あたしは正直、ホッとした。アメリカに行くなんて、無謀だと思ってた。健のギターは好きだけど、やっぱり現実はそう上手くいくもんじゃないでしょ?」
そっか…。
絵里は最初から、音楽の夢を応援してくれていたわけじゃないのか…。
でも、絵里は正しい。
いつまでも、夢を見るなんて馬鹿げてるよな?
俺は、唇をギュッと噛み締めた。