10年後も…〜song for you〜
「あ、そう言えば自己紹介まだでしたよね?」
赤信号で停止した時、はるとが振り返って俺を見た。
今更いきなりかよ…。
「ごめん。晴人くん。まだ紹介してなかったね。あたしが紹介する」
真琴が振り向き、
「あたしの幼なじみなの。まぁ、兄妹みたいな感じかな。廣川健。一応これでも私たちの二つ上」
なんだよ。その自己紹介の仕方…。
兄妹かぁ…。
お前にとっては、俺は兄貴かよ。
「健。彼は西島晴人くん。これ以上言わなくても分かるよね?」
彼氏だろ?
付き合ってるって自分で言うのが恥ずかしいんだよな?
くだらねぇよ。
「西島です。よろしくお願いします」
晴人は、馬鹿丁寧に挨拶してきやがった。
「うぃー」
俺がいつのも調子で挨拶を返したら、真琴が頭を小突いた。