10年後も…〜song for you〜
最初に、俺が家に居てびっくりした時のアイツの顔…
思い出すだけで、笑える。
すげーサプライズだったよな。
って、自意識過剰じゃん俺…。
「あのーお客さま…あと100円足りませんが…」
店員の声掛けに、我にかえった。
コンビニを出て、しばらく歩くと、
子どもの頃から、真琴や祐樹と遊んだ公
園がある。
高校に入学してからは、祐樹から借りたギターで弾き語りなんかの練習もよくやった公園だ。
真琴にも、下手くそって言われながらもよく聴かせたし、よく聴いてくれていた。
ふと、そんなことを考えながら、公園の桜の木を眺めた。
アイツの…
真琴の…
笑顔は、
何よりも救われる。
帰国の選択は間違ってなかった。
桜の蕾がその答えを導いてくれている気がした。