10年後も…〜song for you〜
駅に残された俺と絵里はしばらくして、動き始めた。
「家まで送るよ」
タクシーを捕まえようとしたら、絵里が俺の腕を引っ張った。
「歩いて帰ろう。少し話したい。健も話したいことあるんでしょ?」
絵里がまっすぐな目で俺を見た。
俺は、うなづいて、タクシーを捕まえようとした腕を下ろした。
ゆっくりと駅を出て、絵里のマンションの方角へ俺たちは歩き始めた。
2人の間には、妙な距離感があったー