10年後も…〜song for you〜
第四章
灯る想い
晴人くんの車は、家の前で停車した。
車から降りると、晴人くんもわざわざ降りて、玄関先まで見送ってくれた。
「送ってくれてありがとう」
私の言葉に晴人くんはにっこり笑った。
「じゃあ、またね」
「うん、おやすみ」
晴人くんは、私が玄関に入るまで手を振って見送ってくれた。
玄関の扉を閉めると、深いため息を吐いた。
晴人くんの言葉が蘇る。
"健と私の間には深い絆がある"
"健は、私が好き"
"私は、健が好き"
そんなことって…
あるわけないよ…。
晴人くん、あたしはあなたが好きよ…
健は、ただの幼なじみ…
それ以上の気持ちは…
無い
きっと…。