10年後も…〜song for you〜
「綺麗…」
今日は、三日月だった。
『今日は、楽しかったな。晴人に、お前から礼を言っといてくれ』
「なんでよ。自分で言えばいいじゃん」
『俺は、別にあいつとダチじゃねーもん。顔合わすことも無いだろうし』
「何よそれ…ばか」
段々と調子が戻ってきた。いつものあたしに戻ってきてる気がした。
「でも今からバイトって、健…大丈夫?疲れてない?」
『大丈夫だよ。働かないとな!』
「そう…」
しばらく無言が続いた。すると、
『…なぁ、真琴』
健の言葉に息を吐いて、三日月をもう一度見上げた。
「なぁーに?」
『晴人…良いやつだったな』
「え?」
『お前が言ってた通り、あいつはすげー良いやつだった。あいつだったら、お前を絶対幸せにしてくれるよ』
健からの思いもよらない言葉に私は頭が真っ白になった。