10年後も…〜song for you〜
三日月の下で *健 side
切った携帯電話を握り締めた。
携帯電話の画面に涙がこぼれ落ちる。
真琴ごめんな…。
卑怯者でごめん。
嘘ばっかりついてごめん。
絵里を送り届けて、俺はあいつとの想い出のあるいつもの公園にきていた。
ベンチに座ってギターを取り出し、三日月を見上げた。
そして、絢香の三日月をかき鳴らす。
この曲も真琴が好きな曲だった。
あいつとの想い出が走馬灯のように蘇る。
また流れだそうした涙を必死にこらえた。
真琴、幸せになれよ。
三日月を見上げながら、この曲に祈った。