10年後も…〜song for you〜
運命の朝
夜明け前に物音がして目が覚めた。
玄関のドアが開く音が聞こえた。
健がバイト先から帰ってきたのだろう…。
健のバカ!
私は、布団の中に覆い被さった。
健なんて、もう知らない!
幸せになれよって何なの?
健に言われなくても、あたしは晴人くんと幸せになるもん!
悔しい…。
なんで、また涙が出るの?
私は、再び泣いてしまった涙を拭って、唇を噛み締めた。
両耳を手で塞いだ。
健が鳴らす物音さえ、今は聞きたくなかった。
そして、気付けばまた眠りについていた。