10年後も…〜song for you〜
「わりぃー」
「もう、いきなり開けるから…」
風で写真が何枚か剥がれ落ちたみたいだ。
真琴が呆れた顔で膝を付いて拾い上げている。
「もう、配置とかあたし分かんないのに」
「適当でよくね?」
「ばか!あほ!」
真琴が俺を軽く睨みつけた。
本当に俺はバカだ…。
写真を全て拾い上げると真琴が立ち上がった。
その時、
「あぶね。大丈夫かよ」
真琴がフラついたので、両腕をすばやく支えた。
「なんか、いきなり立ち上がったから、立ちくらみしちゃった」
「ばか!朝飯食ってねぇからだ」
「うるさいな。もう大丈夫だから、放してよね」
ードンッ!
「キャーッ!」
真琴が俺の両手を軽く振り払った瞬間、俺の足もフラついて、一緒に倒れてしまった。