10年後も…〜song for you〜
第五章
真実
ゆっくり目を開けた。
真っ白な天井が目の前に広がっている。
ここどこ?
「目、覚ましたのね」
お母さんがホッとした表情で、私を見ている。
「あ…たし…なん…で?」
「真琴、待ってる間に倒れたの。先生からは貧血だって」
お母さんの言葉でハッと我に返った。
「健は!?」
私は勢いよく起き上がった。
そんな私を他所に、お母さんは首を横に振った。
「まだ意識が戻ってないの。でもね、なんとか一命は取り留めたみたいよ」
…た、健?
どうして?
「おっお母さん、あ、あたし健のとこに…行きたい」
行こうとする私をお母さんは引き止めた。
「ダメよ真琴!まだICUにいるの!行けないわっ!」
集中治療室?
なんでそんなところに、健がいるの!?
嘘だよ!
何かの間違いに決まってる!
だって、健はついさっきまであんなに元気だったんだよ?
いっぱい泣いて…
あたしを強く抱きしめてくれたもん…。
絶対おかしい!