10年後も…〜song for you〜
ーガタッ!
その時、看護師さんが入ってきた。
「廣川さんの意識が戻りました!」
看護師さんの言葉で先生が頷いた。
「行きましょう」
夏美の言葉にみんなが先生の後を追った。
だが、私の足は動かなかった。そんな私に気付いたお母さんが立ち止まって振り返った。
「真琴?」
「…先に行って。あとから行くから…」
「そう…。しっかりね」
お母さんは私の肩を撫でると先生の後を追って出て行った。