10年後も…〜song for you〜

「ただいま…」


家に帰ると、玄関には男物の靴が一足並んでいた。



健?!




退院したの?


帰ってきたの?



もしかして、



健が病気なんて、あたしの悪夢だったの?



リビングの扉をそんな思いで開けると、



「おかえり。真琴」



「晴人くん…」


晴人くんがリビングのソファに座っていた。



晴人くんに会うのは、あの花見をした日以来だった。


何度かメールや電話をもらっていたけど、返信していなかった。




こんな気持ちの中、返信出来ずにいた。


でも、晴人くんの変わらない優しい笑顔がそこにはあった。


< 381 / 508 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop