10年後も…〜song for you〜
「ただいま…」
家に帰ると、玄関には男物の靴が一足並んでいた。
健?!
退院したの?
帰ってきたの?
もしかして、
健が病気なんて、あたしの悪夢だったの?
リビングの扉をそんな思いで開けると、
「おかえり。真琴」
「晴人くん…」
晴人くんがリビングのソファに座っていた。
晴人くんに会うのは、あの花見をした日以来だった。
何度かメールや電話をもらっていたけど、返信していなかった。
こんな気持ちの中、返信出来ずにいた。
でも、晴人くんの変わらない優しい笑顔がそこにはあった。