10年後も…〜song for you〜
「いきなり来てごめんな」
「ううん。大丈夫」
2人とも、公園のベンチに座った。
「晴人くん、ごめんね。連絡出来てなくて…」
「いいよ。桐谷さんに事情は色々聞いたから…」
晴人くんは、深く息を吐いた。
「大変だったね、真琴。俺もびっくりした」
「…うん」
小さく頷いた。
晴人くんの顔が見れなくて、俯いている私に晴人くんが私の背中を撫でた。
晴人くんの優しさに胸が痛む…。
「なぁ真琴…」
晴人くんはゆっくりと立ち上がり、私に背中を向けて一歩前に出た。
前を向いたまま晴人くんはゆっくりと口を開いた。
「やっぱり俺が思ってた通りだったね。俺なんかが2人の仲に入れないんだ」
晴人くん…。
「こんな時に言う事じゃないことは分かってる。けど、やっぱ悔しいな…」
晴人くんがゆっくりと振り向いた。
晴人くんは、切ない悲しい顔をしていた。
「真琴、成人式で再会した時のこと覚えてる?」
…覚えてるよ。
私は頷いた。
「あの日…真琴に声かけたから、真琴とこんな風に付き合えたんだよね?」
「うん…そうだったね」
晴人くんは、フっと笑った。