10年後も…〜song for you〜
「本当は、高校の時からずっと真琴のことが気になってたんだ」
「え?」
思いも寄らない晴人くんの言葉に息を飲んだ。
だって、高校の時はクラスも三年間別だったし…
晴人くんのことは知っていたけど、接点なんてなかったはず…。
晴人くんは高校の時からあたしを知ってたの?
うそ…。
「バスケ部の試合を何度か応援に来ていたろ?」
「バスケ部って…祐樹くん?」
「そう。俺は、まだ一年だったからベンチにいたけど、前山先輩の応援を見に来ていたから真琴のこと知ってたんだ」
その瞬間、あの頃のことが蘇った。
祐樹くんが試合に出ると、よく夏美や友達と応援に行っていた。
「あの頃から、真琴のことよく見かけてたんだ。真琴は、いっつも明るい声で力いっぱい応援してた。写真もいっぱい撮ってて、その姿がずっと気になってたんだ」
晴人くんがまっすぐ私を見つめた。