10年後も…〜song for you〜
「真琴はずっと、前山先輩のことが好きなんだと思ってて、部活以外でも2人が話してる姿をよく見かけていた」
晴人くんは、フっと笑った。
「結局、気持ちを伝えられないまま卒業して…成人式で再会したんだ。俺…すげー嬉しかったなぁー」
晴人くんの言葉に再び息を飲んだ。
驚いて言葉が出ない。
「真琴にやっと声を掛けることが出来た。俺が思ってた通り、明るくて優しい子で、何事にも一生懸命で…。前山先輩とは何もないこと知った時、高校時代の自分にすごく後悔した。どうして、気持ち伝えなかったんだろう…って」
晴人くんが息を吐いた。
「絶対もう二度と後悔したくなかったから、想いを伝えたんだ。真琴が好きだって…だから、真琴が付き合ってくれるって言ってくれた時、本当に本当に…嬉しかった!」
晴人くん…。
晴人くんの目から一粒の涙がこぼれていた。