10年後も…〜song for you〜
「廣川さんのことを想ってたんだね、真琴は…」
「晴人くん、あたし…あたしね」
「真琴、良いんだ。嘘つかないで。自分の気持ちに」
晴人くんの切ない顔が胸を打ち付ける。
私ってなんて最低なんだろうか…。
「真琴は、後悔しないで。俺みたいに。高校の時に、気持ちを伝えていたら、何かが違ってたかもしれない。もう、俺は気持ちを伝えるのが遅かったんだ。でも、短い間だったけど、真琴の側に居れてすごく嬉しかった…」
晴人くんの右手が私の頭に添えられた。
「ありがとう」
いつものように頭を撫でて晴人くんはそう小さく呟いた。
私の目からも一粒の涙がこぼれて落ちた。
晴人くん…
ごめんね、
そして、ありがとう。