10年後も…〜song for you〜
三日後の日曜日。
近くのファミレスで逢うことになった。
ファミレスに着くと、先に来ていた真琴ちゃんに声掛けられ、彼女が座る席へ。
するとそこには、2人の男の子がいた。
しかも、なかなかかっこいい2人。
私がびっくりして戸惑っていると、
「柏木先輩すみません。2人が暇だからって着いて来ちゃったんです」
「真琴、俺はちげーよ。祐樹に付き合わされてんだよ。俺、この後仕事だし」
「お前なぁーあ、なんか柏木さんすみませんいきなり」
祐樹さんって方が頭を下げてきた。
「柏木先輩、座って下さい」
真琴ちゃんに促され、もう一人の男の子の隣が空いていたので座ると、
「柏木先輩、廣川健とこっちが前山祐樹くんです。2人は先輩と同い年で、祐樹くんは同じ学校なんですよ」
廣川くんはぺこりと小さく頭を下げてきた。
「えっと、柏木絵里です」
「先輩、本当すみません。てか、あんた達、もう帰ってよ」
シッシと手を動かす真琴ちゃんに前山くんの顔がむくれた。
「いいじゃん!別に。撮影の邪魔しねぇから!」
「気が散るの。集中出来ないといいの撮れないし、先輩に迷惑かけることになるでしょ?」
「はぁー?何だよ。だったら撮影するとか言わなきゃいいだけの話だろ?なんで俺らに話したんだよ?」
「あんた達が着いてくるなんて思わなかったもん。それに、先輩にOKもらったら嬉しくてつい…あ、ほらもう先輩に笑われちゃったじゃん。先輩すみません」
真琴ちゃんと祐樹くんの言い合いを聞いているだけで楽しくなってつい笑ってしまった。
「ううん。楽しいよ。2人仲良いね。もしかして、付き合っていたりするの?」
「え?」
「付き合ってねぇよ」
真琴ちゃんが首を横に振った瞬間、今まで黙っていた廣川くんが口を開いた。