10年後も…〜song for you〜
繋がった心 *健 side
俺を抱きしめる真琴の熱が全身につたわってくる。
これは、夢なのか…?
俺…今、真琴に抱きしめられてるんだよな?
逢いに…
逢いに来てくれたんだよな?
"おせーよ"なんて言っておきながら、気持ちが宙に浮いている気分だった。
真琴の熱が伝わって、俺は真琴を抱きしめ返えそうと、背中に手を回すと、
真琴が勢いよく、俺から離れた。
目を真っ赤にして、肩を震わせながら、真琴は叫んだ。
「た、健のバカ!バカ!バカ!バカ!バカ!バカー!!」
バカの連発。
そうだ…
本当に俺はバカだよ…。
「ま、真琴…ごめん…な」
言葉をふる絞ると、想像以上に自分の声が震えていた。
「ごめんで済んだら警察なんていらないよ!どうして!な、なんでよ…なんで…何も…何も話して…話してくれ…なかっ…たの?健のば、バカ…バカ…バカー!」
真琴はその場に泣き崩れた。