10年後も…〜song for you〜
「だって…なんか今更だけど、こうやって抱き合ってんのがおかしくなってきちゃった」
「はぁ?何だよそれ?」
健がむすっとした顔で抱き締めていた腕を放した。
「だって、あたしと健だよ?なんかおかしい!」
本格的に笑い出した私に健が不機嫌になる。
「お前なー。ふざけんなよ」
さっきまでの雰囲気はどこへやら。
健が私の頭をポンと叩き、息を吐いた。
健は完全に呆れてる。
「ごめーん。だって…なんかよくよく考えたらさー」
こうなったら、笑いが止まらない。
「いい加減にしねぇーと、またキスすっぞ!」
「ちょ、やだバカ!」
健がまたキスしようと顔を近づけてきたけど、私は逃げるように健から離れた。
「お前ってやつはよーったく…」
健がフっと笑った。