10年後も…〜song for you〜
先生はフェンスの前に立ち、夕日をじっと見つめた後、俺たちに振り向き、
「健くん…僕は君を生かしたい。絶対に諦めない。だから君も諦めるな…夢も生きることも。良い演奏をありがとう」
先生はそう言うと、俺の肩をポンと軽く叩いて、屋上を去って行った。
その瞬間、目に涙が浮かび上がり、俺はまた泣いてしまった。
「健…みんなが支えるから」
真琴はそう言うと、俺の背中に腕を回し背中を優しく撫でた。
みんなの気持ちが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
先生のギターを濡らしちゃいけないと思いながらも、俺の涙は止まらなかった。
生きたい。
もっともっと…
生きていきたい。
音楽とみんなと…
愛する真琴と共に…。