10年後も…〜song for you〜
最終章
止まり始めた時間 *健 side
電話を切り、息を吐いた。
砂浜に打ち寄せる波の音が心地良い。
今日一日中、ここに居た。
ギターを奏で、ずっと曲を作っていた。
そして気が付けば海の水平線に日が沈み始めている。
隣に、真琴が居ないのが残念で仕方ない。
携帯電話に打ち込んだ歌詞は、真琴のことを想って書いた。
やばい…なんだか無性に恥ずかしくなってきた…。
早く戻ってこねぇかな?
一分でも一秒でも、早く逢いたい。
この曲を聴かせたい。
俺は再びギターを手に取り、音を奏でた。