10年後も…〜song for you〜
サイレンの音が聴こえてきた瞬間、どうしようもない不安が一気に押し寄せてきた。
このサイレンは関係ない。
関係ない。
関係…ない。
かん…けい…。
ーピピピッ!
携帯電話が鳴った。
恐る恐るディスプレイを見ると、真琴の名前が表示をされていた。
安堵感が広がる。
きっと、もうすぐ着くとの連絡だ。
土地勘が無くて、道にでも迷って遅くなっただけなはずだ。
そう自分に言い聞かせてながらも、震える指で、通話ボタンを押した。