10年後も…〜song for you〜
ハッとして、ストレッチャーに運ばれている人を見ると、四、五十代の男性で痛々しい姿だった。
俺は、最後尾から来ていた救急隊の腕を掴んだ。
「真琴は?!あいつはどこにいるんですか?!何があったんですか!?」
「タクシーに大型のトラックが追突したみたいです!両運転手と乗客の女性が一刻を争う重傷です!」
その言葉を聞いた瞬間、掴んでいた力が抜けた。
うそ…
だろ?
なんだよそれ?
本当にその乗客は真琴なのか?
「ま、まこ…真琴を助けて…助けてください!!!!!」
救命センターに俺の叫び声が響いた。
そして、心臓をナイフで刺されたかのような痛みと呼吸が困難になり、俺の意識が段々と薄れていった。
周りの看護師さんの声が頭の中をぐるぐる回っていったー