10年後も…〜song for you〜


その先を読み進めていくと、俺はあることに気付いた。







真琴の日記の内容が俺のことばかりになっていた。

『4月26日
健が退院した。たくさんたくさん泣いたけど、辛いのはこれからだよね?あたしが健を支えないと。

4月30日
健が公園でギターを弾いてくれた。この公園でギターを弾く健の姿があたしはやっぱり大好きだ。この場所はスタート地点だもんね。

5月7日
今日は体調があまり良くないみたい。2人で出掛けることになっていたけど、健の身体が大事だもん。また今度、デートしようね。

6月18日
健は隠してるみたいだけど、また薬の量が増えたみたい。心配になって、健に内緒で病院に行ってきた。でも、本当の家族じゃないから、話を聞けなかった。くやしい。あたしは、健の身体をちゃんと理解することが出来ない。本当に本当にくやしいな…。

6月24日
あたしに何か出来ることはないのかな?健が部屋でこっそり泣いてた。その姿をみたら、たまらなく悔しかった。翌日いつも通り、心配かけまいとする健が愛しくて愛おしくて…仕方ないよ。

6月30日
晴人くんに車を借りて健と海にドライブに行った。久々の運転緊張したけど、健がそばに居てくれるとすごく安心する。下手くそなお弁当を文句いいながらも食べてくれた。健ありがとう。
そして、海辺でギターを弾いて唄ってくれた。やっぱり健には元気になって、絶対に夢を掴んで欲しい!!』




俺の涙腺が緩み、胸が苦しくなった。




真琴への想いが込み上げてくる。




お前…ふざけんなよ…



なんだよ。



こんな…



こんな日記遺すなんて…



卑怯だろ?



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