10年後も…〜song for you〜

画面に写る晴人くんは、優しい笑顔でこっちを見てる。

「!?…やだ、いつから居たの?」

「ほんの今ちょっと」

「もう!戻ってきてたのなら声掛けてよ。恥ずかしいよ」

「待たせてごめん。食べよう」

晴人くんはクスリと笑った。







ベンチに腰掛け、なんだか笑ってしまった。

「どうしたの?」


「いや、なんか中学生同士の淡いデートみたいだなぁって思って」

「なんだよそれ」

「だって、公園でこんな風にベンチに座ってご飯食べるなんてさ…それに、お互いスーツだし、制服着てるみたいじゃない?」

「確かにな。青春って感じ?」

「やだー。青春って言葉使うなんて、おじさんだよ」

「おじさんってなんだよ」



じゃれあってて、本当に中学生のデートみたいだなぁ。


なんか、晴人くんとの間の緊張が取れた気がした。








< 66 / 508 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop