10年後も…〜song for you〜
画面に写る晴人くんは、優しい笑顔でこっちを見てる。
「!?…やだ、いつから居たの?」
「ほんの今ちょっと」
「もう!戻ってきてたのなら声掛けてよ。恥ずかしいよ」
「待たせてごめん。食べよう」
晴人くんはクスリと笑った。
ベンチに腰掛け、なんだか笑ってしまった。
「どうしたの?」
「いや、なんか中学生同士の淡いデートみたいだなぁって思って」
「なんだよそれ」
「だって、公園でこんな風にベンチに座ってご飯食べるなんてさ…それに、お互いスーツだし、制服着てるみたいじゃない?」
「確かにな。青春って感じ?」
「やだー。青春って言葉使うなんて、おじさんだよ」
「おじさんってなんだよ」
じゃれあってて、本当に中学生のデートみたいだなぁ。
なんか、晴人くんとの間の緊張が取れた気がした。