10年後も…〜song for you〜
「ど、どうしたの?びっくりした」
絵里は眉間にしわを寄せて、心配した表情で俺を見つめる。
「うん。絵里に逢いにきた」
絵里の不安をよそに、俺はニコニコと表情を作る。
「え?一時帰国?」
絵里が俺の顔を覗き込む。
「いや、日本に帰国した。もうアメリカには戻るつもりないよ」
「!?」
絵里の表情が固まって、言葉すら発しない。
目が大きく見開いている。
しかし、そんな絵里をよそに、俺は話しを続けた。
「今日、仕事何時まで?夜、ご飯行こう」
「……健」
「絵里。俺さー」
言いかけた時、絵里が口を開いた。