10年後も…〜song for you〜

「ごめんなさい。今日は、先約あって…」

「そっかぁ…なら、また今度。お客さん待ってるから、仕事戻って。仕事中にごめんな」

俺は、絵里の頭をポンと軽く叩いて、絵里の目も見ずに、立ち去ろうと歩きだした。


「た、健!」



絵里に呼び止められ、振り返える。




「おかえりなさい」



笑ってそう言ってくれたが、その表情は戸惑いのままだった。



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