10年後も…〜song for you〜
ケンカばかり
「ただいま…」
夕方帰宅すると、リビングの明かりが点いていて、健が先に帰宅していた。
麺をすすっている音がする。
リビングの扉を開けると、健はカップ麺を勢いよくすすっていた。
そういや、お母さん仕事で遅くなるって言ってたっけ?
健は、食べるのに夢中でこっちを見ない。昨日の光景と全く同じ。
お茶を飲もうと、冷蔵庫を開けた。
あれ?
無い。無くなってる。
「ねえ?プリンは?」
私の問いかけに、健の箸が止まった。
「食った」
「は?だって…あれは」
健がようやくこっちを見た。
「俺が買ったんだから、俺が食って文句あんの?」